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鉛中毒のトビ 5月下旬、釧路支庁の鳥獣保護担当者から、浜中町でトビが保護されたとの連絡がありました。うずくまったまま動かないとのことで、センターで検査と治療を行うことになりました。搬入された個体はまだ若く、痩せていましたが、レントゲン検査では幸い骨折等は見当たりません。単なる栄養不良かと思いきや…念のために測定した血液中の鉛濃度が、思いがけず高値を示し、鉛中毒症であることが解りました。 |
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診察台で死んだふり 鉛の解毒剤を投与するために、診察台の上に寝かされたトビ。トビは、よく「死んだふり」をします。人に捕まった時など、身の危険を感じると頭を下げてうずくまったまま。。。ひっくり返ったまま微動だにしないものもいます。本当に調子が悪いのか、それともタヌキ寝入りなのか?見極めるためには、わずかな目の動きや呼吸の有無などの観察ポイントが重要です。 |
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ほとんど同じ場所でもう一羽 鉛中毒の治療を開始し、ホッとしたのもつかの間、5km程しか離れていない場所で別のトビがもう1羽保護されました。 すぐにセンター運んでもらいましたが、今度は「死んだふり」ではなく、目を閉じてぐったり。。。本当に瀕死の重傷でした。この鳥の血中鉛濃度は低値でしたが、胸部に打撲と切り傷が見られ、右目の瞳孔反射も低下していたことから車と衝突したと考えられました。頭蓋骨内で出血している可能性もあり、気を許せない状態です。 |
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ダブル放鳥! 幸い、最初のトビの鉛濃度は比較的すぐに正常値に戻り、交通事故の個体も徐々に回復してきました。2羽を一緒にして治療とリハビリに励んでもらった結果、同時に放鳥の日を迎えることができました。 トビは普通種ですが、鉛に限らず農薬や殺鼠剤による中毒も発生しています。ごく普通に見る鳥だからこそ、身近な環境中に何か大きな異変なことが起きていないかどうかを知る上で、重要な手がかりになるのだと改めて感じさせる症例でした。 |
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