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根室で事故にあったオジロワシ 深夜10時を回った頃、根室半島から若いオジロワシが運ばれてきました。道路脇で飛べない状態でいるところを保護したとの事。意識はもうろうとし、右の翼がバッキリと折れています。傷口の乾燥が進んでおり、事故に遭ってからしばらく時間が経っていると思われました。 |
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長期間、自分の翼を 引きずりながら・・・ 痩せ衰え、重度の脱水と貧血に陥っていた事から、長期間飲まず食わずの状態で過ごしていたことが伺えます。粉々に折れた骨の断端が、傷口から体外に飛び出ており、オジロワシは自分の翼を引きずりながら、痛みや飢餓と闘っていたようです。 |
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吐き出したのはエゾシカの体毛 猛禽類は消化できない骨や毛、羽毛などを球状の塊(ペリット)として吐き出す習性があります。このオジロワシも緊急収容されたケージの中でいくつものペリットを吐き出しましたが、その全てにエゾシカの体毛が含まれていました。このことから、ワシがシカの死体を常食していた事がうかがわれ、道路脇にあった交通事故死体を夢中で食べているところを車に跳ねられた可能性があります。 |
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一命を取り留め、 食欲は出てきたものの・・・ 衰弱が著しく、一刻を争う状態でしたが、輸液などの緊急治療でなんとか一命を取り留める事が出来ました。貧血や脱水などの一般状態が改善するまでは全身麻酔下での手術を行う事が出来ません。応急処置としてテーピングによって患部を保護しましたが、傷の状態は非常に悪く、大空を再び飛べるようになるのは非常に難しいと思われます。しかしながら、今後寒冷地で飼育することを考慮し、なんとか翼を温存したいと考えております。 |
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手術によって翼を失わずに済みました 3時間に及ぶ手術によって、バラバラになった翼の骨(6つに割れていました)をつなぎ合わせる手術を行いました。体外に飛び出していた骨や傷口付近の筋肉や腱はすでに乾燥や腐敗が進んでおり、部分的に切除しなくてはなりませんでしたが、残された断端同士をつなぎ合わせ、外見上は正常に近い状態にまで整復しました。 |
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骨が付くまでは安静にして! 現在、オジロワシは特殊なギプスをつけて、温度管理された部屋で入院生活を送っています。心配された貧血も徐々に改善してきました。野生復帰するのは少々難しいと思われますが、将来飼育下で繁殖してもらうことにより、その子供を代わりとして野生に返せたら良いなと思っています。 |
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