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骨折のコアホウドリ 8月に入り、浜中町でコアホウドリが収容されたとの連絡が入りました。診察の結果、左翼の上腕骨が中央にて開放骨折し、骨片の一部は消失していました。また、両足裏に骨が露出するほどの褥瘡があり、飛べずに陸上にいた時間が長かったことが窺えました。極度に衰弱していたため、まずは体力を回復させてから手術を行うことにしました。 |
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3羽も… 実は今回、同じ場所で2羽のコアホウドリの死体が収容されています。本来は外洋で暮らすコアホウドリがほぼ同じ時に3羽も回収されるだけでも異常なことですが、さらに驚いたのは死体も上腕骨が同じように折れていて、人為的な障害の可能性が考えられました。海鳥では漁網や漁具による混獲が問題となっています。どのような状況でこのような悲惨な障害を負ったか確証はありませんが、ちょっとした気遣いや工夫で防げた事故に思えてなりません。 |
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手術と経過観察 状態が回復してきたので、骨折部の整復手術を行いました。離断部をつなぐことはできましたが、骨片が大きく消失していたため、正常な骨の長さ通りに癒合してくれるかは難しいところです。コアホウドリを含むアホウドリ類は、鳥の中でもかなりの長距離移動を行う種です。骨同士がついたとしても野外で生きていけるほど飛翔能力が戻るかはわかりません。今は骨折部位が癒合してくれるのを待つばかりです。 |
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飼育も大変 骨折とは別に、海鳥の飼育管理は難しい点がたくさんあります。普段は海の上でプカプカ浮きながら休む鳥なので、陸上にいるだけで足裏に褥瘡ができ、自重で腹部が圧迫されることで消化機能も落ちてしまいます。プールを作って浮かべるのが一番良いのですが、この個体は骨折しているため水中には入れられません。センターではハンモックや発泡スチロールマットを用いて飼育管理に当たっています。問題は山積みですが、何とか野外リリースに向けて治療、管理を継続していきます。 |
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