橋の上にいたオジロワシ


2月の末頃、1羽のオジロワシを保護したとの連絡が入りました。
オジロワシは美幌大橋の上で倒れていたようで、一般の方が発見し、道路管理者の方が保護をしてくれていました。
急いで美幌に向かい、関係者の方から個体を受け取った後猛禽類医学研究所で収容しました。
左翼と太ももの骨折


レントゲンを撮った所、オジロワシは左の翼と、太ももの付け根を骨折していました。
太ももにはピンを入れるオペを行い、ケージの中で安静にしてもらいます。
しかし、相手は野生動物です。慣れないケージの中で体を動かし、オペから数日後にはピンがずれてしまったようです…。
再度オペを行い、動いてまたずれないようにと今度はハンモックで生活してもらう事になりました。

ハンモックはストレスフル


野生の動物達にとって体を動かせない事や人の目に触れる事はとてもストレスがかかります。
また、ハンモックの状態では食事も自力で摂ることが出来ません。
そのため私たちスタッフが差し餌を行うのですが、差し餌を行うと、人と動物との距離感が縮まってしまいます。
人の目に触れない為、そして必要以上に接触して距離感を縮めない為に目隠しとして、布でカーテンを作りました。
骨折が治るまでの辛抱


ハンモックに乗ったオジロワシは、上手く動けずに困ったような顔をしてこちらを見つめてきました。
太ももの骨がくっつくまで、1ヶ月程掛かってしまう為これからはお互い、辛抱強く接していかなければなりません。
少しでも早く回復するように、祈るばかりです。(執筆者:田中瑛理香)