原因究明

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石油汚染

2006年、石油にまみれた5500羽以上の
海鳥の死体が知床半島に漂着した

石油による汚染は、主に船舶や車輌、施設などから、河川や海洋に燃料油や原油などが流出した場合に発生します。タンカー事故などによる大規模な石油汚染は、生態系全体に長期間にわたって多大なダメージを与える恐れがあります。
2006年2月、知床半島のオホーツク海沿岸において、5500羽以上の石油に汚染された海鳥の死体が漂着、発見された例があります。情報収集した結果、国後島にも1000羽以上の海鳥が漂着していたことが判明しました。状況から、死体は東樺太海流に乗ってサハリン沖から流されてきた可能性が高く、付着していた石油が船舶の燃料などに使われるC重油であったことが明らかとなりましたが、その汚染源は特定されていません。
漂着した海鳥の多くは、石油が身体に付着したことにより浮力を失い、溺死もしくは低体温症により死亡したと診断されました。また、胃の中に石油が確認された個体も多く、羽繕い等の際に石油を経口摂取したと推察されました。さらに、海鳥が漂着した海岸で2羽のオオワシが死体として収容され、病理解剖の結果、胃内から石油に汚染された海鳥の足や羽毛が発見されたのです。漂着した汚染鳥を越冬中のオオワシが採食したことによる二次被害であり、このように石油汚染は食物連鎖を介して広く生態系に影響を及ぼす恐れがあります。

石油に汚染された海鳥の回収作業(2006年)

石油に汚染された海鳥を食べ、中毒死したオオワシ

●サハリン開発問題についてはこちら

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